頭のいい人は、問題をどう見ているのか? 『見る角度を変える、課題解決の8つの視点』

MS|自由持ちラボ

どうも皆様、MSと申します。

さて今回は、

「頭のいい人は、問題をどう見ているのか?」
というテーマで書いていきます。

なぜ今回このテーマにしたのかというと、
「頭のいい人は、
物事をどう考えているのだろう?」

「課題にぶつかったとき、
どんな視点から見ているのだろう?」
という率直な疑問を持ったからです。

仕事をしていると、
「どうすれば売上が伸びるんだろう?」
「なぜ、うまくいかないんだろう?」
「新しいアイデアが思いつかない。」

そんなふうに、
答えが見つからないことがあります。

同じ問題に直面しても、
すぐに答えを見つける人もいれば、
なかなか抜け出せない人もいると思います。

この違いは、
単純な知識量や頭の回転の速さ
だけなのでしょうか。

私は、それだけではないように思います。

人それぞれに「思考の癖」があります。
過去の成功体験から
同じ方法を選ぶ人もいれば、
自分に都合のいい情報を
無意識に集めてしまう人もいる。

反対に、一度自分の考えから離れて、
まったく違う角度から
問題を見ようとする人もいます。

つまり、
「答えを出す能力」だけではなく、
「問題をどの角度から見るか」
によっても、
導き出される答えは
変わるのではないでしょうか。

では、一流と呼ばれる人たちは、
課題にぶつかったとき、
一体どこを見ているのでしょうか。

今回は心理学や認知科学の研究、
一流の棋士やアスリートの思考法などを
手掛かりに、
課題にぶつかったときに使える
「8つの視点」
について考えてみます。

こんな人に読んでほしい


この記事は、
「自分とは違う考え方を知りたい。」

そんな人に読んでいただけたらと思います。

人は、周りにいる人や
普段触れている情報から、
少なからず影響を受けます。
だとすれば、

優れた思考に触れ続けることも、
自分の考え方を磨く一つの方法
なのでは
ないでしょうか。

世界トップクラスの人たちと
実際に仕事をすることは難しくても、

彼らが何を考え、
どのように問題を捉え、
どんな視点から答えを導き出しているのかを
知ることはできます。

そして大切なのは、
「この考え方が正しい。」と
決めることではなく、

「こういう見方もあるのか。」と、
自分の中に新しい視点を
増やしていくことだと
私は思っています。

一つの問題に対して、
一つの見方しか持っていなければ、
選べる答えも限られます。
しかし、
「上から見る。」
「逆から見る。」
「時間をあけて見る。」
「そもそも見ることさえ疑ってみる。」

そんなふうに
いくつもの視点を持っていれば、

同じ問題からでも、
今までとは違った答えが
見えてくるかもしれません。

優れた思考に触れることで、
自分の中に「考え方の型」を増やしていく。

この記事を読み終わったとき、
「こんな考え方もあるのか。」

と、自分の中に新しい
「思考の選択肢」が一つでも
増えていたら幸いです。

それではいきましょーー!!




そもそも「考える」にもレベルがある


1950年代、
教育心理学者ベンジャミン・ブルームらは、
人間の認知活動を分類しました。

その後2001年に改訂された
「ブルームのタキソノミー」では、

記憶する

理解する

応用する

分析する

評価する

創造する

という6つの認知プロセスが
示されています。

そして最も複雑な認知活動として
置かれているのが、

「創造する(Create)」
です。

知識をたくさん持っていることと、
新しいものを生み出せることは
同じではありません。

知識を覚え、それを理解し、
使い、分解し、評価する。
その先に、
「では、新しく何を作れるだろう?」
という思考があります。

ここに「考える力」を理解する
一つのヒントがあるかもしれません。




人間は、意外と「考えずに」答えている


もう一つ面白い研究があります。
心理学や行動経済学には、
人間の思考を大きく、
速く直感的な思考
遅く分析的な思考
に分けて考える「二重過程理論」があります。

この違いを非常に分かりやすく示したのが、
Shane Frederickが2005年に発表した
「Cognitive Reflection Test(CRT)」
(認知反射テスト)です。

有名なのが「バットとボール」の問題です。
バットとボールは合わせて1ドル10セント。
バットはボールより1ドル高い。
では、ボールはいくらでしょう?

多くの人の頭には、
「10セント」

という答えが一瞬浮かびます。
しかし正解は5セントです。

10セントなら、バットは1ドル10セントになり、
合計1ドル20セントになってしまいます。

この問題の面白いところは計算の
難しさではありません。

「最初に浮かんだ答えを疑えるか」
です。

FrederickのCRTは、最初に浮かぶ反応を
そのまま答えるのではなく、
一度立ち止まって考え直す傾向を
測るために作られました。

つまり、考える力とは、
難しいことを延々と考えることだけではなく、
「待てよ。本当にそうか?」と、
自分自身の思考にブレーキを
かけることでもあります。




視点① 最初に浮かんだ答えを疑う


これは仕事でも同じです。
「売れないのは価格が高いからだ。」
「再生されないのは内容が悪いからだ。」
「この仕事は自分には向いていない。」

何かうまくいかないことが起きたとき、
私たちはかなり早い段階で、
その理由を一つに決めたくなります。

原因が分かれば安心できますし、
次に何をすればいいのかも
決めやすくなるからです。

しかし、ここに落とし穴があります。

最初に浮かんだ原因が、
本当の原因とは限りません。

むしろ最初に思いつく答えは、
自分が普段から考えやすい方向や、
過去の経験、思い込みに
強く影響されていることがあります。

例えば商品が売れないとき、
「価格が高いからだ」と考え、
すぐに値下げをしたとします。

ところが実際の原因は、
価格ではなく、
そもそも商品を見てもらえていない
ことかもしれません。

あるいは、
商品の魅力が十分に伝わっていない。
写真が弱い。
説明が分かりにくい。
競合との違いが伝わっていない。
ターゲットそのものが
ずれている可能性もあります。

この状態で値下げだけをしても、
問題は解決しません。

それどころか、
利益だけが減り、
「安くしても売れなかった」
という新しい失敗が増えてしまいます。

再生数でも同じです。

「再生されない。
だから曲が悪い、動画が悪い。」

そう結論づけるのは簡単です。

しかし実際には、
内容以前のところに原因が
あるかもしれません。

タイトルなのか。
サムネイルなのか。
冒頭数秒なのか。
投稿する場所なのか。
投稿する時間なのか。
視聴者との相性なのか。

あるいは単純に、
まだ十分な回数を
試していないだけかもしれません。

ここで大切なのが、

「本当にそうだろうか?」

と一度、自分の結論を疑うことです。

これは何でも疑って
決断できなくなるという意味ではありません。

むしろ逆です。

早すぎる決めつけを避けるために、
一度だけ立ち止まって確認する。

そのためには、
最初に思いついた答えを
「正解」として扱うのではなく、

一つの仮説として扱う。
「価格が原因かもしれない。」
「内容が原因かもしれない。」
「自分に向いていない可能性もある。」

この「かもしれない」という距離感が、
非常に重要なのだと思います。

仮説であれば、
検証できます。

価格が原因だと思うなら、
価格を少し変えて反応を見る。

認知不足だと思うなら、
露出を増やしてみる。

見せ方が原因なら、
写真やタイトルを変えてみる。

ターゲットが違うと思うなら、
届ける相手を変えてみる。

こうして一つずつ確かめていけば、
感覚ではなく、
少しずつ事実に近づいていけます。

そしてもう一つ、
特に注意したいのが、

自分自身に対する結論です。
「自分には才能がない。」
「この仕事には向いていない。」
「何をやっても結果が出ない。」

こうした答えは、
一見すると冷静な自己分析に見えます。

しかし実際には、
たった数回の失敗から
人生全体の結論を出していることがあります。

10回やって結果が出なかった。

だから向いていない。
でも、本当にそうでしょうか。
100回試したのか。
やり方は変えたのか。

うまくいっている人と
自分の違いを分析したのか。

必要な時間をかけたのか。
十分に検証していない段階で、
「向いていない」と結論づけるのは、
少し早すぎるかもしれません。

人はどうしても、
分かりやすい原因を好みます。

一つの理由にまとめた方が、
頭の中がすっきりするからです。

しかし現実の問題は、
多くの場合、
一つの原因だけで起きているわけではありません。

価格、認知、タイミング、
競合、見せ方、経験、
試行回数。

いくつもの要素が重なって、
今の結果が生まれています。

だからこそ、
最初に浮かんだ答えを、
そのまま真実にしない。

一度、
「他の可能性はないだろうか。」
「反対の立場から見たらどうだろう。」
「事実として確認できていることは何だろう。」
と考えてみる。

この習慣があるだけで、
判断の精度はかなり変わります。

問題解決が上手い人は、
最初から正解を知っている人ではありません。

自分の最初の答えを疑い、
仮説を修正し続けられる人です。

最初の答えは、
ゴールではありません。

むしろ、

考えるためのスタート地点です。




視点② 問題を小さく分解する


「仕事がうまくいかない。」
こう考えてしまうことがあります。

しかし、この言葉のままでは、
問題が大きすぎます。
「仕事」という大きな塊を
そのまま眺めているため、
何を直せばいいのか分からないからです。

そこでまず、
「具体的に、何がうまくいっていないのか?」
と考えてみます。

例えば、
商品が売れないのであれば、
商品そのものに問題があるのか。
価格が高いのか。

そもそも商品を
見てもらえていないのか。

見てもらえているけれど、
クリックされていないのか。

クリックはされているけれど、
購入されていないのか。

一度は買ってもらえるけれど、
リピートされていないのか。

こうして分解していくと、

「売れない」
という一つの問題が、
認知 → 興味 → 比較 → 購入 → 継続

という、いくつもの工程から
できていることが分かります。

例えば1000人に商品が表示され、
100人がクリックし、
10人が購入したとします。

この場合、
表示される人数が少ないのであれば、
集客や認知の問題かもしれません。

表示されているのに
クリックされないのであれば、
写真やタイトル、
商品の見せ方に問題があるかもしれません。

クリックされているのに
購入されないのであれば、
価格や商品説明、
レビュー、競合との比較に
問題があるかもしれません。

つまり、

同じ「売れない」でも、
直す場所はまったく違うのです。

ここを間違えると、
努力そのものが
無駄になってしまうことがあります。

認知が足りないのに、
商品の説明文ばかり直しても
大きくは変わりません。

クリック率が低いのに、
価格ばかり下げても
解決しないかもしれません。

逆に成約率が低いのであれば、
広告を増やしてアクセスだけを集めても、
お金が流出していくだけです。

だから重要なのは、

問題を解く前に、
問題がどこにあるのかを特定することです。

私はここに、
問題解決のかなり大きな差が
生まれると思っています。

うまくいかないときほど、
人は大きな言葉を使いがちです。

「商売がうまくいかない。」
「YouTubeが伸びない。」
「仕事が向いていない。」
「人間関係がうまくいかない。」
「人生がうまくいかない。」

しかし、
言葉が大きくなればなるほど、
問題の輪郭はぼやけていきます。

例えば、
「YouTubeが伸びない」
という問題も同じです。

動画が表示されていないのか。
表示されているけれど
クリックされていないのか。

クリックはされるけれど、
冒頭で離脱されているのか。

途中までは見てもらえるけれど、
最後まで見てもらえないのか。

最後まで見てもらえているけれど、
次の動画につながっていないのか。

チャンネル登録まで
つながっていないのか。
これらはすべて、
「再生されない」
という一言で
まとめることができます。

しかし、
原因はそれぞれまったく違います。

だから、
「伸びない。どうしよう。」
と考えるより、
「どこで人が止まっているのか?」

と考えた方が、
圧倒的に問題は解きやすくなります。

大きな問題を見ると、
人は不安になります。

なぜなら、
どこから手をつければいいのか
分からないからです。

しかし、
問題を細かくしていくと、

「これは直せる。」

というものが
少しずつ見えてきます。
例えば、
「売上を2倍にする。」
と言われると、
かなり難しく感じます。

しかし、
「アクセスを20%増やす。」

「クリック率を10%改善する。」
「成約率を10%改善する。」
「平均購入単価を10%上げる。」
と分解すると、
一つ一つは現実的な課題になります。

そして面白いのは、

小さな改善を積み重ねることで、
結果として大きな問題が解決することです。

これは仕事だけではありません。

例えば、
「最近、生活がうまくいっていない。」
と思ったとします。

これも分解できます。
睡眠なのか。
仕事なのか。
お金なのか。
人間関係なのか。
時間の使い方なのか。
体力なのか。
精神的な余裕なのか。

さらに、
「仕事がつらい」のであれば、
仕事内容なのか。
労働時間なのか。
人間関係なのか。
収入なのか。
通勤なのか。
裁量の少なさなのか。
将来性なのか。

ここまで細かくすると、
問題の正体がかなり変わってきます。

例えば、
「会社員という働き方が嫌いだ」
と思っていた人が、よく考えてみると、
会社員そのものが嫌なのではなく、

通勤と人間関係と
時間の拘束が嫌だっただけ
ということもあります。

そうであれば、
転職やリモートワークなど、
別の選択肢が見えてきます。

大きな問題のまま考えていると、
「辞めるか、我慢するか。」
という極端な二択になりやすい。
しかし分解すると、
その間に無数の選択肢が
あることに気づきます。

ここが、
問題を細分化する
大きなメリットだと思います。

そして、
もう一段深く考えるなら、
問題には階層があります。

例えば、
「売上が落ちた」
というのは結果です。
その一段下には、
「購入者が減った」という問題がある。

さらにその下には、
「アクセスが減った」
「成約率が落ちた」
「客単価が下がった」
といった原因があります。

さらにその下には、
「競合が増えた」
「広告の効率が落ちた」
「商品の魅力が弱くなった」
といった、より具体的な原因があります。

つまり、
目の前に見えている問題は、
多くの場合「結果」にすぎません。

その結果を構成しているものを
一段ずつ下に降りていく。
すると、
「自分が実際に変えられる場所」
までたどり着くことができます。

問題解決とは、大きな問題に
真正面からぶつかることではなく、

自分が動かせる大きさまで
問題を小さくすること
なのだと思います。

「売上が上がらない。」
これは直接は動かせません。
しかし、
「商品写真を変える。」
これはできます。

「タイトルを変える。」
これもできます。

「広告を一つ試す。」
「価格を5%変更する。」

「10本投稿して数字を見る。」
これもできます。
つまり、
問題を分解するということは、
悩みを行動に変える作業でもあります。

漠然とした問題は、人を悩ませます。

具体的な問題は、人を動かします。

だから、
大きな壁にぶつかったときほど、
「どうすれば解決できるだろう?」
といきなり考えるのではなく、

まず、
「この問題は、何からできているのだろう?」
と考えてみる。

一つの大きな問題に見えていたものを
細かく分解していけば、
必ずどこかに、
「ここなら直せそうだ。」
という場所が見つかります。

問題そのものを
丸ごと解こうとするのではなく、
問題を構成している部品を見る。

そして、
一番影響の大きい部品から
一つずつ直していく。

「困難は分割せよ」
(デカルト『方法序説』)

難しい問題ほど、
小さくする。

大きすぎて動かせないなら、
動かせる大きさになるまで分ける。

結局、
複雑な問題を解くということは、

小さな問題を一つずつ
解いていくことなのだと思います。




視点③ ゴールから逆算する


私たちは何かを始めるとき、
どうしても、
「今、自分に何ができるか」
から考えてしまいます。

今持っている知識。
今使える時間。
今持っているお金。

もちろん、それも大切です。

しかし「今できること」だけを基準にすると、
未来の選択肢まで、
現在の自分に引っ張られてしまいます。

そこで、考える方向を逆にします。

「最終的に、どうなっていたら成功なのか?」
まず理想の状態を決める。

そして、
その状態になるために必要な条件は何か。
その条件を満たすには何が必要か。
では、今月何をするのか。
今日何をするのか。

と、未来から現在へ戻ってきます。

現在 → 未来ではなく、
未来 → 現在。

例えば、
「もっと売上を伸ばしたい。」

とだけ考えると、

広告を増やす。
商品を増やす。
SNSを更新する。

といった、
目の前の行動に意識が向きます。

しかし、
「一年後に売上を2倍にする」

とゴールを具体的に決めると、
見えるものが変わります。

これは感覚の話ではありません。
ロックとレイサムの目標設定理論では、
「がんばる」という曖昧な目標より、
具体的で少し難しい目標のほうが
成果が高くなると示されています。

客数をどれだけ増やすのか。
単価を上げるのか。
リピート率を上げるのか。
新しい販路が必要なのか。

さらに、
必要な仕入れ資金はいくらか。
在庫を置く場所は足りるのか。
自分一人で回せるのか。
外注や人員が必要なのか。

ここまで考えると、
ゴールに到達するために必要な条件
が見えてきます。

つまり、
ゴールを決めることは、
単に目標を掲げることではありません。

必要な道具や量を明らかにすることです。

必要な資金。
必要な知識。
必要な時間。
必要な技術。
必要な試行回数。

目的地が決まって初めて、
何をどれだけ準備すればいいのかが分かります。

そして逆算思考には、
もう一つ大きな利点があります。

「やらなくていいこと」が見えてくることです。

時間もお金も有限なので、
すべてをやることはできません。

ゴールが明確なら、
「これは目的地に近づく行動か?」
という基準で判断できます。

近づくならやる。
ほとんど関係がないなら、
優先順位を下げる。

正しい行動は、
ゴールによって変わります。
例えば自分の理想が、
「売上を最大化すること」
ではなく、
「十分な収入と自由な時間を持つこと」

なのであれば、
事業をひたすら大きくすることが
正解とは限りません。

だからこそ、
方法を考える前に、
目的地を決める必要があります。

そして大きなゴールから、
5年後。
3年後。
1年後。
半年後。
今月。
今日。

と逆算していけば、
遠くにあった目標が
具体的な行動に変わります。

もちろん、
計画通りに進むとは限りません。

実際に行動しながら、
ルートは何度でも修正すればいい。

道は変えても、
目的地は見失わない。
私たちはつい、
「今、何ができるだろう。」と考えます。

しかし、その前に、
「最終的に、どこへ行きたいのだろう。」
と考えてみる。

ゴールが決まれば、必要な条件が見える。

条件が分かれば、必要な道具と量が見える。
そして最後に、
今日やるべきことが見えてきます。

さらに、
ゴルヴィツァーの研究では、
「いつ、どこで、何をするか」まで
決めておいた人のほうが、
実際に行動できる割合が
はっきり高くなることが示されています。

未来から現在を見る。
ゴールから逆算するとは、
未来を当てることではなく、

望む未来から、
現在の選択を決めること。

私は、それが逆算思考の
本質だと思います。





視点④ 「そもそも」を考える


さらに一段深く考えてみます。
「そもそも、この前提は必要なのか?」
という視点です。

私たちは問題を解決するとき、
無意識のうちに、
今ある仕組みやルールを
前提にして考えてしまいます。

「もっと安くできないか。」
「もっと速くできないか。」
「もっと効率よくできないか。」

もちろん、
既存の方法を改善することは大切です。

しかし、
その方法そのものが
最適とは限りません。

例えば、
「もっと良い馬車を作るには?」
という問いから考えれば、

馬を増やす。
車輪を軽くする。
馬車を丈夫にする。

といった答えが出てきます。
しかし、
「人をもっと速く移動させるには?」

と問いを変えれば、
馬車である必要すらなくなります。

自動車でも、
鉄道でも、
飛行機でもいい。

つまり、
問いの立て方を変えることで、
それまで存在しなかった選択肢が
見えてくることがあります。

これは仕事でも同じです。
例えば、
「この作業をどうすれば
30分短縮できるだろう?」

と考えるのも一つの方法です。
しかし、その前に、
「そもそも、この作業は必要なのか?」
と考えてみる。
毎日1時間かかる作業を
工夫して30分にすることは改善です。

しかし、
その作業自体をなくせるなら、
使う時間は0分になります。

効率化するより、
やめた方がいいこともある。

これは意外と見落としやすい視点です。
特に長く続いている仕事ほど、
「昔からこうしているから。」
「業界ではこれが普通だから。」
「みんなやっているから。」

という理由だけで、
続いているものがあります。

しかし、昔から続いていることと、
今も必要であることは別です。

多くの人がやっていることと、
自分にも必要であることも別です。

だから一度、
当たり前だと思っている条件を
外して考えてみる。

「もしゼロから作るなら、
本当にこの方法を選ぶだろうか?」

この問いは、
かなり有効だと思います。
例えば、
売上を伸ばしたいときも、

「どうすればもっと広告を
効率よく運用できるか?」
だけではなく、
「そもそも広告を増やすことが
最善なのか?」

と考えてみる。
商品の改善かもしれない。

リピーターを増やす方が
効率的かもしれない。

別の商品を作った方が
早いかもしれない。

販売する場所そのものを
変えた方がいいかもしれません。

問題の中にいると、
どうしても今ある選択肢の中から
答えを探してしまいます。

だからこそ、
一度、問題の外に出てみる。
そして、
「何を改善するか」ではなく、
「そもそも何を実現したいのか」
まで戻ってみる。

すると、
問題だと思っていたもの自体が、
実は解く必要のない問題だった、
ということさえあります。

これは人生でも同じです。
「もっと給料を上げるには?」
と考えていたけれど、
そもそもの目的が
「自由に使えるお金を増やすこと」
なのであれば、
転職だけが答えではありません。
副業でもいい。
支出を減らしてもいい。
資産運用でもいい。

働き方そのものを
変える方法もあります。

目的まで戻ることで、
選択肢は一気に広がります。

だから、

「どうすればうまくできるか?」
だけではなく、
「そもそも、これは必要なのか?」
「そもそも、何のためにやっているのか?」
と考えてみる。

既存の枠組みの中で
最善の答えを探すだけではなく、
その枠組み自体を疑ってみる。

新しいものを生み出す人たちは、
答えが違う以前に、
問いそのものが違うのかもしれません。




視点⑤ 問題を一段抽象化する


これも非常に面白い考え方です。
例えば、
「YouTubeの再生回数を増やしたい。」
という問題があったとします。

そのまま考えれば、
サムネイルを変える。
タイトルを変える。
投稿時間を変える。
動画の構成を変える。

といった改善になります。

もちろん、それも大切です。
しかし、一段上から見ると、
「人は、なぜ動画を見るのか?」
という問いになります。

面白そうだから。
役に立ちそうだから。
続きが気になるから。
感情を動かされたから。

さらに一段上げると、
「人は、何に注意を向けるのか?」
という、もっと根本的な問題になります。

ここまで抽象化すると、
もはやYouTubeだけの問題ではありません。

人の注意を引きつけるという意味では、
広告も同じです。
映画も同じです。
ゲームも同じです。

本の表紙やタイトル、
商品のパッケージ、
街中の看板にも、
同じ問題が存在します。

すると、
YouTubeを伸ばすために、
YouTube以外から学べるようになります。

例えば映画からは、
冒頭で観客を引き込む方法を学べます。

広告からは、
一瞬で注意を引く方法を学べます。

ゲームからは、
「もう少し続けたい」と思わせる
仕組みを学べます。

心理学からは、
人が何に反応し、
何を無視するのかを学べます。

デザインからは、
視線をどこへ誘導するかを学べます。

具体的な問題のまま考えていると、
どうしても同じ業界の成功例ばかりを
参考にしてしまいます。

YouTubeなら、
他のYouTuberを見る。

ネット販売なら、
他のネットショップを見る。

ブログなら、
他のブログを見る。

もちろん、それは有効です。

しかし、
同じ場所ばかり見ていると、
似たような答えに
たどり着きやすくなります。

そこで一度、
「これは結局、何の問題なのか?」
と考えてみる。

例えば、
「商品が売れない」
という問題も、一段上げれば、
「商品の価値が伝わっていない」
という問題かもしれません。

さらに上げれば、
「人は何を基準に価値を感じるのか?」
という問題になります。

そう考えれば、
マーケティングだけではなく、
心理学や行動経済学などの知識も
使えるようになります。

つまり抽象化とは、
目の前の問題から少し離れて、
その問題に共通する本質を探すこと
なのだと思います。

ただし、
抽象化しすぎてもいけません。

「YouTubeが伸びない」

「人はなぜ動画を見るのか」

「人は何に注意を向けるのか」
このくらいなら、
まだ具体的な問題に戻ってこられます。

しかし、
「そもそも人間とは何か。」
まで行ってしまえば、
壮大すぎて実際の改善には
使いにくくなります。

大切なのは、
一度抽象化して視野を広げ、
最後は具体的な行動に戻すことです。

YouTubeから「注意」という
本質的な問題まで上がる。

心理学や広告、映画などから
使えそうな考え方を持ってくる。

そして最後に、
「では、この動画の冒頭5秒を
どう変えるのか。」
という具体的な行動に戻す。

具体 → 抽象 → 具体。

この往復ができるようになると、
自分のいる業界だけに
答えを求める必要がなくなります。

まったく違う分野の成功例が、
自分の問題を解くヒントになる。

新しい視点を得るために、
かなり使える考え方だと思います。




視点⑥ 逆から考える


「どうすれば成功できるか?」
普通はこう考えます。

しかし、あえて逆に、
「どうすれば確実に失敗するか?」
と考えてみる。

例えば仕事なら、
顧客の話を聞かない。
数字を確認しない。
失敗しても改善しない。

一つの取引先に依存する。
利益を考えず売上だけを追う。
短期の結果だけで判断する。
新しいことを何も試さない。

こうして並べてみると、
「成功する方法」は分からなくても、
「失敗しやすい行動」は意外と分かります。

だったら、
それを一つずつ避けていけばいい。
これは投資でも同じです。

「どうすれば大きく儲けられるか?」
と考えると、
未来を予測する必要がありますが、
それはほぼ不可能です。

しかし、
「どうすれば致命的な損失を出すか?」
と逆から考えてみる。

一つの商品に全財産を入れる。
借金をして過剰なリスクを取る。
よく分からないものに投資する。
短期の値動きで感情的に売買する。

こうした行動を避けるだけでも、
大きな失敗の可能性は
かなり減らせます。

ここで重要なのは、
成功と失敗は、完全な対称ではない
ということです。

成功するためには、能力だけでなく、
タイミングや環境、
運が必要になることもあります。

だから、
「これをやれば絶対に成功する」
という方法を見つけるのは難しい。

一方で、
「これを続けていたら、
かなり高い確率で失敗する」
という行動は、
比較的見つけやすいものです。

だからこそ、
正解を当てにいくだけではなく、
大きな間違いを避ける。

これも立派な戦略になります。

例えば、
「良い人間関係を作るには?」
という問いも逆にできます。

「どうすれば人間関係を壊せるか?」
嘘をつく。
約束を守らない。
相手の話を聞かない。
感謝を伝えない。
自分の意見だけを押しつける。

そう考えれば、
「では、それをしなければいい」
という最低限守るべきラインが
見えてきます。

私たちはどうしても、
「何をすればいいのか」
ばかり考えます。

しかし、ときには、
「何をしてはいけないのか」から
考えた方が、答えが簡単に
なることがあります。

成功への最短ルートが
分からなくても、

崖がどこにあるか分かれば、
そこを避けながら進むことはできます。

正解を当てるのは難しくても、
明らかな失敗を避けることはできる。

問題を180度反対側から眺めてみる。

それだけで、
正面から考えていたときには
見えなかった答えが
見つかることがあります。





視点⑦ 時間軸を変える


「今日、結果が出たか。」
「今月、数字が伸びたか。」

短期だけを見ていると、
私たちは目の前の結果に
一喜一憂してしまいます。

今日うまくいけば喜び、
明日数字が落ちれば不安になる。

しかし、
そこで時間軸を少し伸ばしてみます。

「これを3年間続けたら、どうなるだろう?」

そう考えると、
物事の見え方が変わります。
例えば、
毎日少しずつ勉強する。

運動をする。
発信を続ける。
仕事の改善を一つ行う。

今日一日だけを見れば、
ほとんど変化はありません。

一冊本を読んだからといって、
翌日に人生が変わるわけではありません。

一回運動したからといって、
急に健康になるわけでもありません。

一本動画を投稿したからといって、
突然大勢の人に見てもらえるとも限りません。

しかし、
小さな行動ほど、
時間を長くして考える必要があるということ。

一日では見えない差が、
一年、三年と積み重なることで、
大きな差になることがあります。

逆も同じです。
少しくらい無駄遣いしても、
今日の生活にはほとんど影響しません。

一日くらい運動をさぼっても、
今日、特に不都合なことは何も起こりません。

目先の利益のために
信用を少し犠牲にしても、
その日は得をするかもしれません。

しかし、
「この選択を3年間繰り返したら?」
と考えると、
判断は変わってきます。

短期的には得でも、
長期では大きな損失になることがある。

逆に、
短期では面倒でも、
長期では大きな利益になることもあります。

だから私は、大切な判断ほど、
「今日どうなるか」だけではなく、
「これを続けた先に何があるか」
を見ることが重要だと思います。

ただし、
ここで一つ注意があります。
長期思考とは、
同じことを何も考えずに
続けることではありません。

結果が出ていないのに、
「長期で考えているから。」
と言って、
同じ方法を何年も続けるのは
長期思考とは少し違います。

必要なのは、
結果を見る。
原因を考える。
改善する。
そして、また続ける。
この繰り返しです。

例えば100回試して、
ほとんど反応がなければ、
101回目もまったく同じことをするのではなく、

やり方を変えてみる。
見せ方を変えてみる。
届ける相手を変えてみる。

それでも目的そのものに
価値があると思うのであれば、
改善しながら続けていく。

大切なのは、同じ方法を
続けることではありません。

目的に向かって、改善を続けることです。

方法は、
結果を見ながら変えていいのです。

むしろ長く続けるためには、
変化することが必要です。

短期の結果だけで
成功や失敗を決めない。
かといって、
長期という言葉を理由に
失敗を放置しない。

長い時間軸で考えながら、
短い時間軸で改善する。
長期思考とは、
ただ我慢して続けることではなく、

『改善しながら続けること。』

一喜一憂せず淡々と仮説をたて
改善していく。

私は、それが長期で結果を出すための
重要な考え方だと思います。





視点⑧ 「考えなくてもできる領域」を増やす


ここで少し違う方向から、
「思考」を考えてみます。

一流の人は、
何でも普通の人より長時間
考えているのでしょうか。

実は、そう単純ではなさそうです。

チェスの熟達研究では、
熟練者は盤面を見るとき、
一つ一つの駒をバラバラに見るのではなく、

意味のある「まとまり」として認識している

ことが示されてきました。

ChaseとSimonが1973年に発表した研究は、
熟達とパターン認識の関係を示した
古典的な研究として知られています。

初心者が一つずつ駒を見て考える場面でも、
熟練者には、

「これは知っている形だ」

と見えている。

膨大な経験によって、
過去に見たパターンが
頭の中に蓄積されているからです。

つまり、一流になるほど、

毎回ゼロから考える必要がなくなる。

「この形は知っている。」
「これは危ない。」
「おそらく、ここだ。」
という候補が、
高速で浮かんできます。

スポーツの世界にも、
これとよく似た考え方があります。

イチローさんは、
以前バッティングについて、
「無意識の範囲を広げたい」
という趣旨のことを語っています。

これは非常に興味深い言葉です。
150キロを超えるボールが飛んでくる中で、
「腕をこう動かそう。」
「重心をここに置こう。」
「バットをこの角度で出そう。」

と一つずつ考えていたら、
当然、間に合いません。

だからこそ練習では、
細かな動きを何度も確認し、
繰り返す。

そして最終的には、

意識しなければできなかったことを、
意識しなくてもできる状態にする。

つまり、
練習では意識し、
本番では無意識に任せる。

これを繰り返すことで、
「考えなくてもできる領域」が
少しずつ広がっていくのだと思います。

これは仕事でも同じです。

経験の浅いうちは、
「次は何をするのか。」
「この数字は正常なのか。」
「この判断でいいのか。」
と、一つずつ考えなければなりません。

しかし何百回、何千回と経験すると、

「この数字は少しおかしい。」
「このパターンは危ない。」
「たぶん原因はここだ。」
と、説明するより先に
違和感に気づくことがあります。

一見すると「勘」に見えます。

しかし、その勘の中には、

膨大な経験と試行錯誤が
圧縮されている
とも考えられます。

ここで面白いのは、
「考えない」ということが、
思考力の低さを意味するわけではないことです。

むしろ、
考えなくてもできるところまで、
過去に何度も考えてきた。

そして、
考えなくても処理できる領域が増えれば、
その分だけ頭に余裕が生まれます。

基本的な判断を自動化し、
本当に難しい問題に
思考を集中できるようになる。

つまり熟達とは、
何でも深く考えることではなく、
「考える必要のないこと」を
増やしていくこと
でもあるのだと思います。

繰り返し考える。
繰り返し試す。
経験を蓄積する。

そして、
意識していたものを
少しずつ無意識へ移していく。

「考えなくてもできる領域」を増やす。

これもまた、
一つの思考力なのだと思います。




初心者の直感と、一流の直感は違う理由


ここまで考えてみると、
一見、矛盾したことが見えてきます。

最初のCRTでは、
「最初に浮かんだ直感を疑う」
という話をしました。

一方で、
一流の棋士やアスリートになるほど、
「直感が非常に重要になる」
という話もあります。

では、直感は
信じるべきなのでしょうか。
それとも疑うべきなのでしょうか。

おそらく重要なのは、
直感にも「質」がある
ということです。

これについては、面白い論文があります。

直感に懐疑的だったカーネマンと、
熟達者の直感を評価してきたクライン。
立場が正反対の二人が、
「どういう条件がそろえば
直感を信じていいのか」を
共同でまとめました。

条件は二つです。

同じパターンが繰り返し現れる、
規則性のある環境であること。

そして、その規則を学べるだけ
結果のフィードバックを
受けてきたこと。

裏を返せば、
この二つがそろわない場所では、
経験を積んでも
直感は当てになりにくい。

初心者の直感は、
まだ少ない経験や知識の中から生まれます。

見たことのあるパターンが少ないため、
思い込みや先入観を
「直感」として感じている可能性もあります。

一方で、一流の直感は違います。
何千、何万という経験。
成功と失敗。
その結果を振り返り、
修正してきた蓄積。

そうした膨大な情報が、
瞬間的な判断の裏側にあります。

だから同じ、
「なんとなく、こっちだと思う」

でも、その「なんとなく」の中に
含まれている情報量がまったく違います。

例えば、
経験豊富な経営者が数字を見て、
「何かがおかしい。」
と感じるとします。

まだ原因を
言葉では説明できなくても、
過去に何度も似た状況を経験しているため、
小さな違和感を捉えているのかもしれません。

これは単なる思いつきとは違い、
経験が圧縮されて、
直感という形で現れている。
ということになります。

先ほどのイチローさんの
「無意識の範囲を広げる」
という話ともつながります。

最初から無意識に任せるのではなく、
意識して練習する。
失敗する。
修正する。
また繰り返す。

その積み重ねによって、
少しずつ直感に任せられる領域が
増えていく。

つまり、
良い直感は、考えることを繰り返した先にある
とも言えるのだと思います。

なので、
何でも直感を信じればいいわけではない。

かといって、
何でも時間をかけて
考えればいいわけでもない。

自分が何度も経験してきた領域では、
直感を一つの有力な判断材料にする。

反対に、経験が少ない領域や、
失敗したときの影響が大きい場面では、

「この直感は本当に正しいのか?」
と一度立ち止まる。

重要なのは、
直感か、論理か。
という二択ではなく、

どこを直感に任せ、
どこで立ち止まって考えるか。

そしてもう一つ、

自分の直感を信じていい領域が、
どこまで広がっているのかを知ること。
その見極めも含めて、
「考える力」なのかもしれません。



まとめ


ここまで、
「頭のいい人は、問題をどう見ているのか?」

というテーマで、
課題解決の8つの視点を見てきました。

振り返ってみると、

① 最初に浮かんだ答えを疑う
最初の答えを正解ではなく、
一つの仮説として扱う。

② 問題を小さく分解する
大きな問題を、
自分が手をつけられる大きさまで細かくする。

③ ゴールから逆算する
現在から未来ではなく、
望む未来から現在を見る。

④ 「そもそも」を考える
今ある方法を改善する前に、
その前提自体が必要なのかを疑う。

⑤ 問題を一段抽象化する
「これは結局、何の問題なのか?」
と考え、別の分野からも答えを探す。

⑥ 逆から考える
成功する方法だけでなく、
失敗する条件を考え、それを避ける。

⑦ 時間軸を変える
今日の結果だけではなく、
この選択を何年も続けた先を見る。

⑧ 「考えなくてもできる領域」を増やす
経験と反復によって、
意識的な思考を少しずつ無意識へ移していく。

こうして並べてみると、
一つ共通していることがあります。

それは、

目の前に見えている問題を、
そのまま受け取らないことです。

疑ってみる。
小さくしてみる。
未来から見てみる。
前提を外してみる。
一段上から見てみる。
反対側から見てみる。
時間を伸ばしてみる。
経験を積み、考えなくても分かる
領域を増やしていく。

つまり思考力とは、
難しいことを長時間考え続ける能力だけではなく、

一つの問題を、違う角度から見直せる力
なのではないでしょうか。

同じ問題でも、
見る場所を変えれば、まったく違う
答えが見えてくることがあります。

そしてもう一つ、
今回調べていて面白かったのが、

「直感」と「深く考えること」は、
必ずしも正反対ではない
ということです。

経験の浅い領域では、
最初に浮かんだ答えを疑い、
意識的に考える。

考え、試し、失敗し、
修正することを繰り返す。

その経験が蓄積されると、
やがて考えなくても
重要なポイントが見えるようになる。

つまり、

深く考えることを繰り返した先に、
考えなくても分かる領域が生まれる。

一流の人が素早く判断できるのは、
考えていないからではなく、

そこに至るまでに、
膨大な量を考え、
試してきたからなのかもしれません。

頭の良さというと、
知識量やIQのようなものを
想像しがちです。

もちろん、
それらも一つの能力でしょう。

しかし仕事や人生においては、

「どれだけ知っているか」だけではなく、
「問題をどう見るか」
も同じくらい重要なのだと思います。

答えが見つからないときは、
もっと必死に答えを探す前に、
見る角度を変えてみる。

もしかすると、
解くべきなのは問題そのものではなく、
自分が問題を見ている
「視点」なのかもしれませんね。




最後に


以上となります。
皆様、いかがだったでしょうか。

いきなりすべての問題に対して、
今回紹介した8つの視点を
自在に使いこなすことは、
なかなか難しいと思います。

なので、まずは一つだけでもいいので
試してみることをおすすめ致します。

例えば何か問題が起きたときに、
「最初に浮かんだ答えは、
本当に正しいだろうか?」
と、視点①から試してみる。

それを繰り返して、
少しずつ自分の思考の中に1つ1つ
取り入れていけばいいのだと思います。

こうした考え方も、
スポーツや仕事と同じで、
知っているだけでは
なかなか使えるようにはなりません。

実際の問題に当てはめて、
考えて、試して、また考える。

ある意味、
思考にも反復練習が必要
なのだと思います。

もちろん、
私自身もこの8つの視点を
スムーズに使えるわけではありません。

むしろ、
後になってから、
「もっと違う見方ができたな。」
と気づくこともあります。

それでも、
この課題にどう向き合うのか。
どこから見るのか。
どういう見方をするのか。

この意識を持っているだけでも、
問題との向き合い方は
少しずつ変わっていくと思います。

答えを出すことも大切ですが、

答えを出す前に、
問題をどう見るか。

私はそこに、
思考力の大きな差が
生まれるのではないかと思っています。

今回紹介した8つの視点のうち、
一つでも皆様の日常や仕事で
役に立つものがあれば嬉しく思います。


それではまた別の記事で!

MS






参考文献


  1. Anderson, L. W., & Krathwohl, D. R. (Eds.). (2001).
    A Taxonomy for Learning, Teaching, and Assessing: A Revision of Bloom’s Taxonomy of Educational Objectives.
    → ブルームのタキソノミー

  2. Frederick, S. (2005).
    Cognitive Reflection and Decision Making.
    Journal of Economic Perspectives, 19(4), 25–42.
    → CRT・「最初に浮かんだ答えを疑う」

  3. Locke, E. A., & Latham, G. P. (2002).
    Building a Practically Useful Theory of Goal Setting and Task Motivation: A 35-Year Odyssey.
    American Psychologist, 57(9), 705–717.
    → 目標設定・ゴールを明確にする

  4. Gollwitzer, P. M. (1999).
    Implementation Intentions: Strong Effects of Simple Plans.
    American Psychologist, 54(7), 493–503.
    → ゴールを具体的な行動に落とす

  5. Chase, W. G., & Simon, H. A. (1973).
    Perception in Chess.
    Cognitive Psychology, 4(1), 55–81.
    → チェス・熟達者のパターン認識

  6. Kahneman, D., & Klein, G. (2009).
    Conditions for Intuitive Expertise: A Failure to Disagree.
    American Psychologist, 64(6), 515–526.
    → 熟達者の直感

※本記事で紹介した「8つの視点」は、単一の研究で提唱された思考モデルではありません。心理学・認知科学・熟達研究などの知見を参考に、問題解決に活用しやすい形として私が整理したものです。

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