コンビニでつい買ってしまう理由、知っていますか?『HALT』の話
どうも皆様
MSと申します。
今回はですねー。このお話。
コンビニでつい買ってしまう理由、
知っていますか?『HALT』の話です。
HALT=ハルトと読みます。
主観ではありますが、そこまで有名な
言葉では無い割には、知っていたら
為になるのではないかと思ったので
今回は『ムダ遣い』と『HALT』を
かけ合わせて話を
していきたいと思います。
例えばですが、
また使っちゃったよー。とか
何か無駄に買っちゃうんだよなー。とか
今月こんなに買ったっけ?…
そんな経験は少なからず
あるのではないでしょうか?
実は人がお金を使う理由は
「必要だから」だけではないのです。
人は本能に、なかなか逆らえません。
空腹の時に高カロリーなものが
欲しくなるのも、
疲れた時に楽な選択をしたくなるのも、
生き延びるために身につけた、良くも
悪くも脳の仕組みなのです。
こんな方に読んでほしい
気づくと月の収支が赤字の方
なぜか衝動買いをしてしまう方
欲と真っ向勝負している方
自制心を高めたい方
この記事を読むと
HALTという考え方を通して、衝動買いは
「意志の弱さ」だけが原因ではない
ことが分かります。
考え方によっては
人生のいろいろな場面で応用もできます。
例えば、お金を使いたくなった時に
一度立ち止まり、自分の状態を確認する。
その習慣が身につけば、無駄な買い物を
減らし、後悔する回数も少しずつ
減らせるようになります。
孫子の兵法に
彼を知り、己を知れば、百戦殆うからず。
という言葉があります。
相手を知り、自分を知れば
何度戦っても危険な状況には陥らない。
という意味です。
ここで言い換えると、
相手=企業のマーケティングを知り
己=脳の仕組み(自分)の本能を知る。
となります。
ちなみに無駄遣い=悪とは言いませんし
否定もしません。なぜなら
無駄遣いも時には心の潤いになるからです。
全てはやはりバランスに集約していくもの
です。
HALTという考え方を知っていれば
今後、これが欲しい!となった時に
今の自分は空腹なのかもしれない。
または、疲れているだけかもしれない。
など、一度立ち止まって俯瞰して見られる
ようになってくると思っています。
もちろん、HALTだけですべてが
解決するわけではありません。
しかし、自分の状態を俯瞰して見る
「きっかけ」としては、
とても優れた考え方だと思います。
この記事が、皆さんのお金だけでなく、
心とお金を守るヒントになれば嬉しく思います。
それではいきましょーー!
まずHALT(ハルト)とは?
人は
Hungry(空腹)
Angry(怒り)
Lonely(孤独)
Tired(疲れ)
この4つの状態では判断力や
自制心が落ちやすいと言われています。
HALTは、もともと依存症の回復プログラムで
広まったセルフチェックの考え方です。
HALTは、1935年に始まった
アルコール依存症の自助グループ
「AA(アルコホーリクス・アノニマス)」の
中で育まれ、その後1980~1990年代に
依存症回復プログラムや治療現場で広く
使われるようになった
セルフチェックの考え方です。
お酒や薬物への強い衝動を感じた時に、
「空腹・怒り・孤独・疲れ」の
どれかが原因ではないかを確認し、
まずその状態を整えることで
再発を防ぐ目的で使われています。
最近、なんだか衝動的にお金を
使っちゃうなーと感じていたら
まずはこの4つのどれかに
当てはまっていないかを確認してみる。
そんなシンプルな習慣です。
「本当に欲しいから買う」のではなく
空腹・怒り・孤独・疲れを埋めるために
買っていないか。
そう自分に問いかけるだけでも
無駄な買い物を減らせるかもしれません。
Hungry(空腹) 空腹のとき、人は食べ物以外も欲しくなる。
皆さんも、一度はこんな経験が
あるのではないでしょうか。
仕事帰り。
「牛乳だけ買って帰ろう。」
そう思ってスーパーへ入ったはずなのに、
気付けばカゴの中には、お菓子、
アイス、惣菜、ジュースまで入っている。
家に帰ってレシートを見て、
「え、こんなに買ったっけ?」
と思った経験です。
実はこれ、多くの人が経験していると思います。
空腹のときは、食べ物がいつも以上に
魅力的に見えるものです。
揚げ物の輝き。
焼きたてのパン。
期間限定スイーツ。
普段なら素通りするような
商品まで、「美味しそう」と
感じやすくなるのです。
その結果、本来買う予定のなかった
商品まで、つい手が伸びてしまいます。
しかし、面白いのはここからです。
空腹になると欲しくなるのは
食べ物だけではありません。
「せっかくだから、この飲み物も。」
「前から気になってた調味料も買ってみよう。」
「キッチン用品も替え時かな。」
このように、「ついで買い」
が増えやすくなります。
つまり、空腹は単に胃が空いている
状態ではなく、『今すぐ満たしたい』
という気持ちが強くなっている状態
とも言えるのです。
ミネソタ大学などの研究で、
空腹の参加者と満腹の参加者を比べたところ、
空腹の人は食べ物だけでなく、
クリップのような食べられない物まで
多く手に入れていました。
不思議なのは、
その品物を気に入ったから
取ったのではないことです。
品物への好みは、空腹の人も満腹の人も
同じでした。
違ったのは、手に取った数だけです。
つまり、
空腹になると、「何かを手に入れたい」
という欲求そのものが強まる。
その結果、お菓子を買う。
日用品を余計に買う。
セール品をカゴに入れる。
ネットショッピングで予定外の商品を買う。
といった行動につながりやすくなります。
対策は簡単です。スーパーへ行く前に、
バナナ一本でも、おにぎり一つでもいいので
軽く何かを食べることをおすすめします。
たったそれだけで、余計な出費が
驚くほど減ることがあります。
「意志が弱いから」ではありません
まずは、お腹を満たしてから買い物をする。
それだけで、お金の使い方は
意外なほど変わるのです。
Angry(怒り) 怒りは財布のブレーキを外す
仕事で理不尽なことを言われた日。
上司に怒られた日。
お客様からクレームを受けた日。
家族とケンカした日。
そんな日に、ついムダ遣い
してしまった経験はありませんか?
「今日は嫌なことがあったし。」
「イライラするから甘いものでも買おう。」
「美味しいもの食べて忘れよう。」
その瞬間は、「欲しかったから買った」と
思っているかもしれません。
しかし、本当に欲しかったのは
その商品だったのでしょうか。
欲しかったのは、怒りから解放される時間
だったのかもしれません。
人は怒りを感じると、その不快な
気持ちを早く消したくなります。
だから、一番手っ取り早く
気分が変わる行動を選びやすくなります。
甘いものを食べる。
お酒を飲む。
ネットショッピングをする。
ゲームをする。
どれも悪いことではありません。
問題なのは、「怒りを解消するため」に
無意識で選んでしまうことです。
すると、「今日は特別だから」という理由で
買い物をし、その翌日には冷静になって後悔する。
そんな経験がある方もいらっしゃるのでは
ないでしょうか。
怒りは、一時的に判断を曇らせる
ことがあります。
だからこそ、イライラしている日は
「買わない」と決めるくらいで、
ちょうどいいのかもしれません。
怒りが収まってから改めて見ても欲しいと
思えたら、その時に買えばいいのです。
Lonely(孤独) 孤独はモノで埋めようとする。
夜、一人で家に帰る。
誰とも話さないまま一日が終わる。
SNSを開けば、楽しそうな
投稿ばかりが流れてくる。
そんな夜に、なんとなくAmazonや
楽天を眺めていたら、「これ、いいな」と
思う商品が次々に出てきます。
気付けばカートに入れ
注文ボタンを押している。
そして翌日。
荷物が届くのが少し楽しみになります。
届いた後は、箱を開ける瞬間は
とても幸せなのではないでしょうか?
しかし、残念なことに
その嬉しさは長くは続きません。
数日もすると、その商品は部屋の一部になり、
また別のものが欲しくなる。
これは、「物が欲しかった」というより、
心の空白を埋めたかったのかもしれません。
もちろん、買い物そのものは
悪いことではありません。
好きなものにお金を使うことは、
人生を豊かにしてくれます。
ただ、孤独を埋める手段が
買い物だけになると、
満足感は長続きしません。
というお話です。
そんな時は、友人に連絡してみる。
家族と話してみる。
散歩へ出てみる。
お気に入りの音楽を聴く。
買い物以外にも、心を満たす方法は
意外とたくさんあります。
「今、自分は寂しいだけかもしれない。」
そう気付くだけでも、
衝動買いを防げることがあります。
Tired(疲れ) 疲労は「考える」ことをやめてしまう
仕事でクタクタになって帰る。
頭も体も疲れ切っている。
実際研究で、起きて17時間ほど経つと、
判断力や反応速度は、お酒を少し飲んだ人と
同程度まで低下することも分かっています。
そんな日にスーパーやコンビニへ寄ると、
不思議なくらい高い商品でも
「まあ、いいか」と思えて
しまうことがあります。
スーパー・コンビニに限らず
普段なら値段を見比べたり
口コミを調べたりすることを
怠るようになります。
本当に必要か考える。
そんな当たり前のことが、
疲れている日は面倒になります。
人間の脳は、判断することにも
エネルギーを使います。
だから疲れている日は、
「考えなくても済む選択」を
しやすくなるのです。
一番高いお弁当を選ぶ。
ついスイーツもカゴへ入れる。
ネットでは「おすすめ商品」を
そのまま買ってしまう。
どれも、「考える労力」を
減らすための自然な行動とも言えます。
だから、大きな買い物ほど
疲れている日に
決めないほうがいいのです。
車も。家電も。投資も。
翌日にもう一度考えて、
それでも欲しいと思えたら、
その時に買えば十分です。
疲れた日は休む。
大きな判断は元気な明日の
自分に任せる。
それだけでも、後悔する買い物は
ぐっと減っていきます。
HALT狙いの権化。それは『コンビニ。』
ここまで読んでくださった方なら、
もうお気付きかもしれません。
HALTの4つが最も重なりやすい場所。
それが、仕事帰りのコンビニです。
想像してみてください。
例えば、残業を終えた、夜9時。
駅からの帰り道。
その途中に、コンビニがあります。
明るい照明が、道に漏れています。
あなたは、吸い込まれるように
入っていきます。
このとき、あなたの中では何が
起きているでしょうか。
Hungry(空腹)
昼食を食べたきり、何も食べていません。
あれから9時間近く、空腹は限界を迎えます。
Angry(怒り)
夕方、上司に言われた一言が
まだ頭から離れません。
理不尽だと思っています。
でも言い返せずストレスが
溜まっています。
Lonely(孤独)
今日、仕事以外の話を
誰ともしていません。
そして帰る部屋には、誰もいません。
Tired(疲労)
朝6時に起きて、満員電車に揺られて、
約15時間。もう、考える力が残っていません。
少し極端ですが、4つ全部そろっています。(笑)
一番判断力が落ちた状態で
あなたは店内に立っています。
そして、そこに置かれているものを見てください。
レジのすぐ横で、オレンジ色の光を当てられ
食欲を掻き立てるホットスナック
目の高さに並ぶ、期間限定の新作スイーツ
冷えた缶ビールと、その隣のおつまみ
「期間限定」と書かれた、赤いポップ。
そして夜のコンビニには
不思議と安心感があります。
明るい清潔な店内。店員さんもいます。
ホッと一息つける場所でもあります。
そこへ一日の疲れを抱えたまま入ると、
「今日も頑張ったし、これくらい、いいか。」と、
予定になかったものまでカゴに入れてしまう。
それは意志が弱いのではありません。
そもそも、偶然にそこにあるわけ
ではありません。
すべて、計算されて置かれています。
疲れた人が、何も考えずに手を伸ばす場所。
その位置を、店側は知っています。
というか、研究しつくしています。
歩く順路まで想定して
しっかり考えられています。
あなたは、こう思います。
「今日はがんばったし」
「これくらい、いいだろう」
気がつけば、レジで想定以上のお金
を払っていることでしょう。
でも、これはあなたの意志が
弱いからではありません。
HALTが4つそろった人間は
誰でもこうなります。
疲れ切った状態で、誘惑の設計図の
上を歩かされている。
勝てるはずがないんです。(笑)
だから、必要なのは「我慢する力」
ではありません。
必要なのは、その場所に行かないこと。
そもそも近づかないこと。
どうやったら戦わないで済むかを考えること。
それが重要なのです。
例えば
帰り道だけはコンビニに
入らないと決める。
もしくは、何となくでは入らない。
会社を出る前に小分けの
ナッツやプロテインバーなど
を食べて帰る。
そもそも家に、夕食を先に
用意しておく。冷凍弁当など
意志で戦うのをやめて、環境のほうを変える。
これだけで、驚くほど効果は出ます。
最後に。HALTは何にでも使える。
ここまでお読み頂き
ありがとうございました。
今回は「浪費」を入り口に
お話ししました。
実際HALTが役立つ場面は、
買い物だけではありません。
空腹のときは、
判断が雑になりやすい。
怒っているときは、
普段なら言わないことまで口にしてしまう。
孤独なときは、本当に必要なものよりも、
心の隙間を埋めてくれそうなものを選びやすい。
疲れているときは、面倒なことを避け、
その場で一番楽な選択に流されやすくなります。
HALTは「選ぶ前」に気づくための考え方。
つまりHALTは、
「何を選んだか」を反省する考え方ではなく、
選ぶ前の自分がどんな状態だったのかに、
気づくための考え方です。
たとえば、こんな場面です。
仕事で大きな決断をするとき
投資で暴落に不安を感じ、売りたくなったとき
人間関係で感情的になりそうなとき
食べ過ぎや夜更かしを止めたいとき
SNSで誰かに反応したくなったとき
そんなとき、一度だけ
確認してみてください。
「今の自分は、
空腹・怒り・孤独・疲れの
どれかに当てはまっていないか。」
これだけで、衝動と本心を
分けやすくなります。
答えを出す前に、少しだけ間を置く
当てはまっていたら、
その場で答えを出さないことです。
少し食べる。
寝る。
散歩する。
誰かと話す。
時間を置く。
それだけで、
さっきまで正しいと思っていた選択が、
急に違って見えることはよくあります。
HALTは、正しい答えを
教えてくれるものではありません。
ただ、
「今の自分は、
本当に落ち着いて選べる状態だろうか。」
そう立ち止まるきっかけを
与えてくれます。
心理状態に振り回されて選ぶのではなく、
自分の状態を理解したうえで選ぶ。
その積み重ねが、より良い選択に
つながっていくのだと思っています。
なにより
人生は、小さな選択の積み重ねで
できています。
誰かに誘導されるのではなく、
自分で自分をコントロールし
自ら選ぶ人生を、少しずつ増やしていく。
それも「自由持ち」の1つの要素
だと思っています。
何か1つでも皆様の参考に
なっていれば嬉しく思います。
それではまた別の記事で!
MS
あわせて読みたい
お金の使い方そのものを、5つの研究から掘り下げた記事です。
参考文献
Xu, A. J., Schwarz, N., & Wyer, R. S. Jr. (2015). Hunger promotes acquisition of nonfood objects. Proceedings of the National Academy of Sciences, 112(9), 2688–2692. https://doi.org/10.1073/pnas.1417712112

